【完】嘘から始まる初恋ウェディング
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恐ろしい程の厳格で真面目な父親が書いたシナリオには思わず虫唾が走った。
「本当にルナは良い子で、昔っから少しだけ頼りない所があって
私は心配で心配で堪らない。どこの馬の骨かも分からぬ男にルナが狙われているなんて、想像するだけで涙が止まらなくなる。
大体私はルナには就職させることは反対だったのだ。
姉のレナとは違い、ルナに世間の荒波を乗り越える力はない…。
ルナは大学を卒業したらうちで花嫁修業をさせるつもりだったんだ…。」
自分の親父は、大概な出来損ないだとは思っていた。しかし類は友を呼ぶとはよく言ったもんだ。
四代続く日本を代表する洋菓子メーカー。 見た目は親父とは違い、高そうなスーツに身をまとい、髪型も整えていて、歳の割には良い男だった。
「ルナは純粋な娘なんだ……。こんな話は公には出来ない。
どうか白鳥くん、ルナを守ってくれ」