【完】嘘から始まる初恋ウェディング

おい!!!!

それって気まぐれにお嬢様が出かけたら結局俺は時間を拘束されるっつー事だよな?!

話が違う…!それじゃあ、いつ出掛けるかどうかも分からないお嬢様の都合で動かなくてはならない。

親父が親父ならば、この桜栄社長だってかなり横暴だ。 しかし、桜栄社長はそっと俺に耳打ちをする。

「尊の性格はよぉーく知っている。 学校こそ違えど、俺達は幼馴染だ。 あいつの事だ、君への報酬をいくらかは自分のポッケにいれた事だろう。
どうだ?
君の会社へ払う報酬とは別に、白鳥くんにも特別手当をつけようではないか?
悪い話ではない」

悪魔の囁きが、俺の耳元を気持ちよい位爽やかに駆けていく。

金とは偉大である。 最低な男と誰に揶揄されても構わない。 金の前では誰しもがひざまづく。それ程強いものだ。

金の為ならば、この桜栄社長に身を売り、犬にでも猫にでもなってみせよう。

下らないシナリオにたかだか一ヵ月程度付き合うだけだ。 自分に言い聞かせて、右手を桜栄社長に差し出す。 彼もニッと笑い俺の手を掴んだ。

交渉成立。 この決断を直ぐに後悔する事になるなどと、金に目が眩んだ俺はまだまだ気づいていなかった。

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