【完】嘘から始まる初恋ウェディング

―――――

十月から、桜栄ルナの身辺警護を決行する事になる。

写真で見るより、ずっと美しく可愛らしいお嬢さんだった。 もっと悪魔のような我儘お嬢様を想像していたものだ…が…。


雨の朝、初めて彼女に出会った。
朝から彼女を張って、気が付かれぬように後を追う。
その日の朝、俺と彼女の乗った電車は人身事故のせいで、長らく停車をしていた。


背中まである長い黒髪のロング。 まるで漫画から出て来たみたいに零れ落ちそうな大きな瞳。 肌は真っ白く透き通っており、化粧も薄いはずなのにピンクの頬と小さな唇もお揃いの色をしていた。

折れそうな程華奢で、背もそこまで高くない。どちらかといえば低い方。 控えめだけど上品なベージュのジャケットがよく似合っている。

THEお嬢様の身なりをしたルナは、電車が停車している中不安そうな顔を何度もしながらそわそわし始めて、何度も腕に掛かっている白い高級そうな腕時計に視線を落とす。

< 44 / 306 >

この作品をシェア

pagetop