【完】嘘から始まる初恋ウェディング
このお嬢様は、男を部屋にいれる意味を分かって言っているのだろうか。 いや絶対分かっていないだろう。
美しく、穢れも知らない女性。 恐らく処女で、桜栄社長いわく男とも付き合った事のない純粋な女性だ。
今時そんな女いるのか? 桜栄社長の話を聞いた時はいささか疑問だった、が…彼女に会ってすぐに分かった。
彼女が俺の世界一苦手な女である事は。 清く、美しく、純粋で、この世の全てを信じているような真っ直ぐの大きな瞳。
しかし俺は現在金で飼われている身。 お嬢様のご機嫌を損ねる訳にはいかない。 にっこりと作られた笑みを浮かべると、途端に彼女の表情がぱあっと明るくなる。
「嬉しいお誘いだなぁ。 僕もジュリエットは会ってすぐに大好きになりました。 本当に可愛いワンちゃんですね」
「待ってますね!」
犬猫にジュリエットやらロミオといった名前を付けるのは、正直センスを疑う。
ルナはにこにこと曇りなき笑顔を見せながら、浴室へ向かう。