棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目


「鈴さ、アイツのこと好きなわけ?」


 へ?


「ア……アイツ…って?」


「天音先輩」


「まっ……まさかぁ」


「鈴の顔、真っ赤だったじゃん」


「あれは……いきなりだったから……」


「あっそ……」




 勇君の声が、いきなり弱々しくなって。


 苦しそうに顔を歪める勇君から、
 目が離せない私。




「あんなテレ顔……
 俺には、見せなかったくせに……」




 ……えっ?


 勇君、どうして
 そんな辛そうな顔をしてるの?



 私と付き合ってくれたのは、
 中3のたった1か月だけ。

 

 片思いがやっと実ったって、
 私は嬉しくてたまらなかったのに。


 付き合ってる間も、
 私じゃなくて、椿ちゃんが好きだったんでしょ?




 それなのに、なんで今……

 元カレっぽいことを、言うかなぁ……

 
< 99 / 227 >

この作品をシェア

pagetop