エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました
参加するもしないも自由だが、参加する場合は仮装が必須。思い思いの衣装に身を包み、ケータリングのハロウィンメニューや酒を楽しむという、気軽なパーティーだ。
日程が日程なので、月末処理に追われ忙しい事務部門にとっては忌々しい行事にならないかと当初は心配していた。
しかし年々参加者の数は増え、耳に入る反響を聞く限り、多くの社員がむしろこのパーティーを仕事のモチベーション向上に役立ててくれているようだ。
ちなみに昨年の俺は航紀とともに海賊の仮装をし、多くの女性社員たちに『一緒に写真を撮ってください!』とせがまれた。
叶未がどんな格好をしていたのかは、残念ながら知らない。去年の今頃は叶未と俺との接点はなにもなかったのだ。
それが、今やこんなに愛しい相手になってしまったとは……運命というのは不思議なものだな。
「あの、大和さん、やっぱり恥ずかしいのですが」
「どうして? かわいいよ、とても」
終業後、会場に向かう前に、社長室で一度衣装を着たところを見せてと叶未にお願いした。
躊躇いながらも更衣室で着替えてきた叶未は、赤い顔を隠すように俯き、俺の前に立っている。
すでに一分以上見つめ続けているだろうか。俺だけの、無垢なかわいいウサギ。いくら眺めていても飽きない。