エリート御曹司の秘書兼、契約妻になりました
ある時は真剣な目でパソコンを覗き、ある時はにこやかに電話応対をし、またある時は、オフィス内を清掃する業者のパート従業員と思われるご婦人たちにチョコレートを差し入れし、『いつもありがとうございます』と声を掛ける。
彼女のように、真面目で細やかな気配りができる秘書がそばにいてくれたら……。自然とそう思うようになった俺は、彼女を自分の秘書として引き抜くことにした。
常に周囲の人の気持ちを考えられる叶未には、秘書の才能がある。総務課でも重宝されていた人材だとは思うが、俺のそばにいれば、さらにその才能を開花させ、成長することができるだろう。
さっそく話を持ち掛けた時、叶未はかなり驚いていたが、秘書の仕事には以前から興味があったようで、『精一杯お役に立たせてください』と、承諾してくれた。
それから半年。彼女は想像通り、いやそれ以上に有能な秘書へと成長した。
仕事上頼りになるのはもちろん、ドライな航紀とは違って優しさも持ち合わせているので、叶未のそばにいるのは安心するし、癒される。