癒しの君と炎の王 2~炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中~
結婚式まであと8日


朝方、頬に暖かな感触があり、目を開けると、ロエルがベッドサイドで微笑んでいた。
そして、ロエルは騎士団用の軍服に身を包んでいた。
ソフィアは慌てて身体を起こすと、不安そうな声で、

「ロエル、その服…。」

「ああ、ちょっと風の国に行って来る。すぐに戻るから、心配しなくていい。」

「私も行くわ!ロエルに何かあっても、いえ、他の人にも何かあっても私がいれば治せる!」

「大丈夫。俺は4国最強だ。何かあることはない。」

「でも…またもし暴走してしまったら…


「暴走したことなど一度もないよ。」

「前にお城の人達を飛ばしたわ!」

「あれは、わざとだ。」

「えっ?わざと?」

「俺が飛ばしたのは衛兵や騎士達だけだ。みんな受け身を取れる。女性と年配の者は飛ばしてない。」

言われてみれば、確かにアルバートは飛ばしていなかった。メイド達の叫び声はしたが、それはお城の調度品が割れたから…。

「で、でも、アンは私の目の前で飛ばされていたわ!」

「ああ、あれは、ハリスが以前アンのことをかわいいと言っていたから、わざとハリスの所に飛ばしたんだ。ハリスなら受け止められるからな。」

「…。」

悪びれず坦々と話すロエルにソフィアは何も言い返せなくなった。ロエルはそんなソフィアの顔を覗き込むと、そっとキスをしてから、

「だから、安心して待っていてくれ。結婚式までには必ず戻る。」

と、約束してくれたが、ソフィアは心配そうな目で見つめていた。
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