癒しの君と炎の王 2~炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中~
コンコンコン
と、ハリスがノックをしたが、返事を待つことなくロエルは扉を開けた。
すると、
眠っていたはずのシルバーとソフィアが立っており、シルバーがソフィアの背後からソフィアの手を押さえ、ソフィアの白い喉元には、肘から下が狼の前足のようになった腕で、鋭く太い爪を突きつけて立っていた。
「今すぐソフィアから離れろ!!」
と、ロエルが言うと、
「取引きがしたい。」
とシルバーが言った。
ソフィアは一瞬どうしてこんなことになってしまっているのか訳が分からなかったが、とにかく、2人を争わせてはいけないと思った。狼の魔物のシルバーと、炎の力を持つロエルが戦うようなことになれば、大変なことになる。この緊迫した状況に、ソフィアはひどく緊張したが、震える声で、
「こんな事をしなくても、ロエルはあなたの味方になってくれるわっ!」
とソフィアがシルバーに訴えた。しかし、シルバーは、
「うるさい!黙れ!」
と、さらにソフィアの喉元に鋭い爪を近づけた。今まで紳士的だったはずのシルバーの変貌ぶりにソフィアは驚きを隠せなかった。すると、それを見たロエルが、
「許さない…。」
と静かに言い、炎を体にまといながら一歩前へ踏み出した。
ソフィアがすかさず、
「ダメ!ロエル!もし、シルバーさんに何かしたら、ロエルとはもう結婚しない!嫌いになるから!」
と叫んだ。