王宮女官リリィ外伝〜あの子はだあれ?
ミロッテは木箱から立ち上がると、母親の手を取り申し出た。
「あなたが作るパンプキンライスは私の母親の味に似ている。なんだか故郷が懐かしくなる優しい味だ」
「は、はあ……」
キュリオの母親は戸惑っていたが、その目は次の提案で見開かれた。
「どうだろうか? 毎朝私のためにパンプキンライスを作るというのは。
見たところきちんとした動きも出来て感じもよろしい。
私の家に家政婦として来てもらえまいか?
急な申し出で驚いたかもしれないが、これでも私は商売人でね。
その人を5分も見れば人となりがわかるのだよ」
そう説明しながら、ドンミロッテの頬がほんのりと赤いのは気のせいか?とメイフュは思う。
クロロルをチラッと見れば。
当の本猫は大きなあくびをして眠そうで。
自分が作り上げた状況というのに、全く意に介さない。
けれども。
クロロルの足元になにかのメモがあるのをクママルが見つけた。
それは、クロロルが書いたらしきパンプキンライスの秘伝レシピ。
(クロロルは全てわかっていて私のもらった飴を使ったのか)
やがて、しどろもどろになるドン・ミロッテを見てメイフュは苦笑いを浮かべた。