シークレットベイビー② 弥勒と菜摘
✴︎
亜紀ちゃんか⋯⋯ 。
櫂くんは学校にちゃんと毎日行けるようになったけど。
でも、やっぱり時々表情がかげる。
まだ『亜紀ちゃん』と仲直りできてないらしい。
菜摘が間に入るのも、やりすぎなような気もするが、亜紀ちゃんのお父さんが怒ってるみたいだし、櫂だけで解決出来ないかもと思う。
学校の帰りにさりげなく、自然なかんじで話が出来たらと思う。でも、今時、突然子供に話しかけたら、不審者みたいだし親も心配なさるだろう。
しばらく悩んだ挙句、やはりきちんとお家に電話をして、ちゃんと話をさせてあげようかと思った。
シッターで名乗ろうか、嘘ではないし。
えい、と気合を入れて櫂から聞いた番号にかける。緊張する⋯⋯ 。
[はい、もしもし]
思いの外、柔らかく優しげな声のお母さんだった。親戚でシッターをしていて、と名乗ったら、きちんと応対してくれた。一度、少しでいいので会わせられないかと聞く。
[こんな特殊な環境の子で、なかなか話す機会がないみたいです。ずっと心に重い気持ちを持っているのも、と思ったので]
と言ったら、お母さんは、
[実は亜紀の方もわだかまりがあるようですので、行かせていただきます]
と了承してくれた。
学校の近くの公園に、下校後、会う約束をした。お母様も一緒についてきて下さるそうだ。
亜紀ちゃんか⋯⋯ 。
櫂くんは学校にちゃんと毎日行けるようになったけど。
でも、やっぱり時々表情がかげる。
まだ『亜紀ちゃん』と仲直りできてないらしい。
菜摘が間に入るのも、やりすぎなような気もするが、亜紀ちゃんのお父さんが怒ってるみたいだし、櫂だけで解決出来ないかもと思う。
学校の帰りにさりげなく、自然なかんじで話が出来たらと思う。でも、今時、突然子供に話しかけたら、不審者みたいだし親も心配なさるだろう。
しばらく悩んだ挙句、やはりきちんとお家に電話をして、ちゃんと話をさせてあげようかと思った。
シッターで名乗ろうか、嘘ではないし。
えい、と気合を入れて櫂から聞いた番号にかける。緊張する⋯⋯ 。
[はい、もしもし]
思いの外、柔らかく優しげな声のお母さんだった。親戚でシッターをしていて、と名乗ったら、きちんと応対してくれた。一度、少しでいいので会わせられないかと聞く。
[こんな特殊な環境の子で、なかなか話す機会がないみたいです。ずっと心に重い気持ちを持っているのも、と思ったので]
と言ったら、お母さんは、
[実は亜紀の方もわだかまりがあるようですので、行かせていただきます]
と了承してくれた。
学校の近くの公園に、下校後、会う約束をした。お母様も一緒についてきて下さるそうだ。