シークレットベイビー② 弥勒と菜摘
✴︎
彼がわたしをのぞきこむ。
わたしは、彼を見上げる。
目と目が合う。
「可哀想なのは、本人がいないところで話されたから。憶測を。
いないところで言われてる人をぼくは可哀想って言う、誰でも」
「きみの気持ちをあんな風に言ったから、可哀想だと思った。
純粋な気持ちを人がとやかく言うことじゃないと思う」
「それに。キミはまだ、ぼくの気持ちを知らずにいる。周りもキミも」
それを可哀想だと言っただけだ。
と十織くんは言った。
「きみに気持ちが流れたこと、絵に描いてくれた。
じゃ。見えるだろ。
ぼくの気持ち。
きみをぼくの空間に入れたい。
きみをぼくの色にしたい。
もう誰の色にも触れさせない」
ぼくは張り巡らせてたんだ。
じりじりと待っていたんだ。
きみが近づいてくるのを。
顎に添えられてた十織くんの指が、5本全部で、わたしの唇と頬とこめかみと耳と髪をすーっと撫でた。少し冷たい指先だった。
彼の人の指、わたしの人の輪郭、お互いの造形を確かめて知る。
彼がわたしをのぞきこむ。
わたしは、彼を見上げる。
目と目が合う。
「可哀想なのは、本人がいないところで話されたから。憶測を。
いないところで言われてる人をぼくは可哀想って言う、誰でも」
「きみの気持ちをあんな風に言ったから、可哀想だと思った。
純粋な気持ちを人がとやかく言うことじゃないと思う」
「それに。キミはまだ、ぼくの気持ちを知らずにいる。周りもキミも」
それを可哀想だと言っただけだ。
と十織くんは言った。
「きみに気持ちが流れたこと、絵に描いてくれた。
じゃ。見えるだろ。
ぼくの気持ち。
きみをぼくの空間に入れたい。
きみをぼくの色にしたい。
もう誰の色にも触れさせない」
ぼくは張り巡らせてたんだ。
じりじりと待っていたんだ。
きみが近づいてくるのを。
顎に添えられてた十織くんの指が、5本全部で、わたしの唇と頬とこめかみと耳と髪をすーっと撫でた。少し冷たい指先だった。
彼の人の指、わたしの人の輪郭、お互いの造形を確かめて知る。