アンチテーゼを振りかざせ




そうして開かれた飲み会は、もうあまり思い出したくは無いかもしれない。




「初めまして!!瀬尾の同期の古淵(こぶち) です!!!!」

「初めまして!ぶっちーのマブいダチ、川田(かわた)です!!」

「え、大変だ!!!
みんな可愛いですね!?!?目に毒〜!!」

「おい馬鹿だな、ぶっち〜
また言葉の使い方、間違えてるぞ!」

「は!!!ごめん緊張してんのかな!?」

「マイブラザー!!落ち着け!」



「「「……」」」


テーブルに向かい合った瞬間始まったその会話に、私を含め同期もみんな言葉を失っている。


だけど思ってることはきっと、絶対的に同じだ。


「(え、このテンションが2人は、キツく無い…?)」


2人とも子供のように目をキラッッキラに輝かせて私たちに興味津々という感じだけれど、ソファ側の女性陣は背もたれに背中がピッタリとくっついている。

つまりドン引きしている。


後から来た、瀬尾さんと同じ部署で1つ先輩だという南雲(なぐも)さんが、そんなカオスな状況に心の底からげんなりとした顔をしていた。


古淵さんは終始使う日本語が不思議で会話が頭に入って来なくて、川田さんはコース料理の〆であるガパオライスを口から飛ばしまくっていた、という印象しか無い。



そんな疲労感満載の飲み会は、コースの2時間ピッタリで終了した。強制的に。

川田さんから「お友達からいかがでしょうか!!!」と握手を求められたけど丁重にお断りしておいた。

私の同期に古淵さんが同じことをしていたけど、以下同様。


凹み項垂れる2人を引き摺るように「うるさくてすみませんでした。」と、謝罪と共に去っていった南雲さんを見送って。



私も付き合ってくれた同期に謝罪をして、結局二軒目で女子会をして解散した。



ほんと、何やってるんだろう。









< 15 / 203 >

この作品をシェア

pagetop