アンチテーゼを振りかざせ
「保城ちゃんは、やっぱりこの会社の将来を担うね。」
安心したのか、気持ちが込み上げて直ぐにパソコンと対峙できずにいる私に、優しく声がかかる。
驚いて隣を見ると、笑い皺たっぷりのほむさんが、大きなお煎餅を差し出してくれていた。
「…ほむさんは、いつも大袈裟です。」
「そうかな??本当にそう、思ってるよ。」
___"保城ちゃん。まだ、諦めないで。"
そんなの無理だって、思っていた。
あの課長は変わらないし、仕事は減らない。
でも私は多分、"現状を変えられない自分"を、1番諦めていた。
「ほむさん。」
「はいはい。」
「…リニューアルの仕事ね、楽しいです。」
____困ったことに、とても。
お煎餅を受け取ってそう眉を下げて白状すると、彼はもっと笑みを穏やかに深めた。
「…そう。じゃあ大事にしないとね。」
嬉しそうに答えてくれるほむさんに頷いて、その後お煎餅を食べたら、またちょっと泣けた。