自信のない恋に優しい愛
「よく覚えているね?」
「ああ、ちょっと前に廊下で声かけられたんだけど、穂乃香が言ってた特徴通りの子だったからさ」
「……理奈ちゃん、圭介に何の用事だったの?」
「んん? なんかいつも出張のお土産貰うお礼にご飯おごりますって言ってたな」
「……へー」
そうか、あの化粧が濃かった原因はそういうことか。気合を入れたんだな……ってか、ちゃっかりアプローチしてんだ……。
なんだか複雑な心境で黙り込んでしまった私を圭介が後ろから抱きしめる。
「もちろん、ちゃんと断ったから。俺には穂乃香だけだからな」
「愛してる」と耳元で囁く彼にそのまま押し倒されて、なし崩しになってしまいそうな状況に、お風呂にまだ入っていない私はなんとか押しとどめようとしたけれど、結局それは無駄な努力に終わってしまった。