訳あり無表情少女と一途な幼馴染 〜裏の仕事〜
蓮side
部屋に戻ると、栞はもう寝るだけの状態に
不安な表情をしてる
栞の前に座り、目を合わせる

「栞、明日から…俺も一緒に行く」
「…、え?」
「兄貴から許可が出た、仮組員としてお前に付く。依頼人にも話を通すって」
「…」

栞は動揺し、目が泳いでる
数秒後には目を閉じ、溜息を吐いた

「分かった。楼が許可したんなら、何も言わない
 …でも、鷹として」

栞が目を開けると、そこには鷹としての顔が

「俺は決して私情は挟まない
 依頼人からの要望が、蓮が不快に思う事でも迷わずやる
 絶対に手出しするな」
「…」
「いいな?」
「分かった」
「…」

栞は目を伏せる

「…何で蓮まで、こっちの世界に来ようとしてるの」
「それは少し違うな」

栞を抱き締める

「極道の世界に入ろうとは考えてねぇ
 俺はただ…、お前が心配なだけだ
 そして、まだ俺が知らねぇお前の事が知りたい」
「…そんな事の為に?」

少し離れ、頰を両手で包む

「俺にとって、そんな事じゃねぇんだ
 今だから言うけどな
 お前等が仕事してる間、俺がどんだけ不安な気持ちでいると思ってんだ
 どっか怪我してねぇかって…、どんだけ心配してると思ってる
 いっその事、辞めさせてやりてぇ位だ」
「…」
「でもお前等が、それを望んでない以上、何も言わずにいようとしてた
 でもな?やっぱり心配なんだよ
 そんな時だ、兄貴から仮組員の話を出されたのは」

ニッと口角が上がる

「こんなチャンス、使わねぇ訳ねぇだろ」

栞はゆっくりと瞬きし

「…明日も朝早くに出る、正装の用意をして
 念の為、偽名も」
「おう」
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