訳あり無表情少女と一途な幼馴染 〜裏の仕事part2〜

「そうだ、俺だよ。深見は偽名だ。
 俺は警視総監の実の息子、片桐 樹(カタギリ イツキ)
 クククッ…!
 そりゃ極道が動くよなぁ?
 警察関係者にこんな事が漏れたら、親父がどんな目に合うか…クククッ、ハハハハッ!」

深見が栞さんに近寄り、栞さんの顎をクイッと上げる
栞さんは弱々しく振り払うが、すぐに掴まれ

「にしても、いい女だな?」
「その…人に…っ!触るなっ!」
「どうせ本当の女じゃねぇんだろ?なあ、お前」
「離…せ」
「お前、俺の女にしてやろうか?」
「「!?」」
「そうすれば、すぐにでも楽にしてやるぜ?」
「誰…が、お前…なんか…の、」
「いいねぇ、気の強ぇ女だ」

深見は舌舐めずりし栞さんから離れ、周りを歩き出す
栞さんは顔を上げてるのも辛いのか、俯いてしまった

「親父がどうなろうが、どうでもいんだけどよぉ
 バレたら俺まで肩身の狭い思いをしなきゃいけねぇ」
「当、然の…報い、だ」
「? 何で俺が?俺はダチに教えてもらって、ヤッてただけだぜ?
 誘われただけなのに、何でこの俺が責められるんだ?
 他の奴等だって楽しんでんだ
 何が悪い?」
「くす…りに、手を…出し…た…時点、で…、お前は…止まってる」
「止まってる?」
「人生…が、止まって…んだっ、今なら、まだ…間に合うっ!
 薬を、止めろ!」
「…何、その上から目線。ちょ〜ウザいんだけど
 そっちこそ、偉そうに説教すんの止めろよ」

深見が手を上げると、黒服が目の前に

「やれ」

ドカッ!

「ぐっ!」

鳩尾を始め、体中を殴られる


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