訳あり無表情少女と一途な幼馴染 〜裏の仕事part2〜
春の声と一緒に白い影はゆっくりと近付いてくる

《お前なんか死んでしまえ!!》
「!」

投げ掛けられる言葉に後退りすると

「大丈夫です、ここに貴女を傷付ける人はいません」

白い影がフワッと私を包む
…暖かい

「春?」
「はい」
「…春」
「はい、春ですよ。栞さん」

白い影がどんどん鮮明になっていき、顔が見えてくる
あ…

「春だ」

目を合わせれば、ニコッと笑顔の春が
でも、殴られ傷付けられる春の姿が脳裏を掠める

「春、ごめんなさい。あんな痛い思いをさせてっ、苦しい思いをさせてごめんなさいっ!」
「自分は大丈夫ですよ
 薬も体の傷も、栞さんのお陰で治りました
 栞さんは俺よりも自分を心配して下さい」
「私はいいの。春は、大切な…私にとって大切な人だから…」
「自分も、栞さんを大切な人だと思ってます」
「ホント?」
「はい。それに、ここには貴女の大切な人が…大切に思ってくれてる人が沢山居ますよ」

大切な人
そう意識して辺りを見渡せば、黒い影が無くなっていき

「蓮、紫音、楼…」


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