エリートな彼の好きな女 ~ウブな秘書は恋愛をしたくないのです~
女遊びが激しくて有名?
誰のことを言ってるの。 信じられない。
そこまで岩倉くんを貶す理由はなに?

「私がそれを信じるとでも? 彼は大学のころからとても親しみやすかった。 男女関係なくすぐに仲良くなって、それが彼の良いところだった。 それに、人を傷つけるようなことは絶対にしない人です!」

「何年前の話をしてるんだ、お前は。 とにかく、もうあいつとは会うな」

「なんですか、それ。 どうして社長がそんなこと言うんですか!?」

社長は私を見ようともしない。
ただただ冷たくて鋭い瞳は前を向いていて、その瞳に見つめられたら私の中の全てが終わってしまうような気さえした。

「佐倉。 悪いがタクシーで帰る。 こいつは会社まで乗せてってやってくれ」

「…かしこまりました」

そのまま社長は車を降りて歩道に向かっていく。
私はその背中が見えなくなるまで、目が離せなかった。




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