エリートな彼の好きな女 ~ウブな秘書は恋愛をしたくないのです~






その数日後、私は謝罪のために岩倉くんを食事に誘った。

「この間は本当にごめんなさい。 普段はあんなこと言う人じゃないんだけど……」

「ううん。 相良が謝ることじゃないよ」

ほら、こういう人だ。
岩倉くんが女性をとっかえひっかえするようなだらしない人なわけない。
社長は彼のどこを見てあんなことが言えたのだろうか。
いや、見ていないから言えたんだ。
この瞬間にも、怒りがぶり返してくるようだった。
ちなみにあの日から私と社長は必要最低限の会話しかしていない。
仕事上関わらなきゃいけない関係なので仕方ないことだけど、この件について何も言ってこない社長への怒りは尽きない。
今日の帰り際、久しぶりに声をかけられたと思ったら、『あいつと会ってないよな』だもん。
私は言った。
『これからあなたの代わりに謝罪に行ってきます』ってね。
あーもう。 思い出しただけでむかむかする!

「今日は謝罪を込めて私が持つから! どんどん食べてね! 遠慮しないで」

「女性に奢ってもらうのは気が引けるけど……うん。 お言葉に甘えようかな」

「どうぞ、どうぞ。 岩倉くんがストーカーだなんて、馬鹿げた話しよね、ほんと」

「相良は俺のこと信用してくれてるんだね。 嬉しいな」

「もちろん。 疑う余地もないわ」

そう。 この人のことを信用している。
そして彼はそれに見合う人なのだ。

そうでしょう? 岩倉くん。


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