エリートな彼の好きな女 ~ウブな秘書は恋愛をしたくないのです~
「うぅ。 でも、ありがとうございます! 感謝してもしきれません!!」
一緒に警察署もお店も着いてきてくれて、おまけにやり方は置いておいて寝床も提供してくれて。
どう考えても今の私の立場は弱い。
「なんでキレ気味なんだよ。 まぁ、自分の家だと思って遠慮なく寛げ」
社長はきっと心の底からそう思ってくれている。
私を一人にしておきたくなかったって、本当なのかもしれない。
守ってもらってるって感じがなんともくすぐったいなぁ。
「このご恩は必ず。 なんでもします」
「おまえ、すぐにそういうことを言うな。 どうせ岩倉にも言ったんだろ。 俺の暴言の謝罪のつもりで」
「な、なんで分かるんですか!?」
純粋に正確に当ててこられて驚くと、社長が深くため息をついた。
「そういう奴だろ、陽葵は」
なんか、社長、私より私のこと分かってますね。
「とにかく。 今後は容易く〝なんでもする〟は禁止。 無責任だし、何されても文句言えないんだからな」
うぅ。 まさに岩倉くんにもそう言われたな。
秋月陽葵、二度となんでもするとは言いません!!
「で、でも、春希さんにはどう感謝の意を伝えれば……?」
なんでもするが駄目なら、本人に希望を聞くしかないよね。
「春希さんは何をしてほしいですか?」
「陽葵、それはなんでもすると同じだ。 俺がキスしてほしいと言っても断れないの、分かってる?」
社長が呆れたと頭を抱える。
これもダメなの?
っっていうか――
「き……キス!?」
社長、私にキスしてほしいんですか!?
どうして…!
あ、でもこの前言ってたな。
隙あらばキスでもハグでも、とかなんとか。