エリートな彼の好きな女 ~ウブな秘書は恋愛をしたくないのです~
エレベーターは三十階の広報部フロアで止まった。
もうちょっと下に進みたかったけど、仕方ない……。
切り替えて降りようとすると、乗ってきた人にぐっと腕を掴まれた。
えっ!? えっ、ちょ、何事!
明らかに意図的にエレベーターに逆戻りさせられ、ひやひやしながら腕を掴んで離してくれないその人を見やる。
「あの……?」
ああ、早くしないと社長が行っちゃう!
益々焦れてくる私にお構いなく、無反応の女性をじっと見据える。
真っ白のレディーススーツに真っ赤なジャケットを羽織った、とにかく気品のある大人な女性だ。 サングラスをかけていてよくお顔は見えないが、多分とっても綺麗な方。
「秋月陽葵さんでいらっしゃる?」
「えっ? は、はい。 そうですが……」
突然、上品な口調で言われて素っ頓狂な声が出てしまった。
「わたくし、真柴樹姫(ましば いつき)と申しますの」
「あ、はあ……真柴…さん? 私に何か御用でしょうか」
「春希とは、どこまでいっているのかしら?」
春希……その名前が出てきて呆然とする。
「ど、ど、どどこまで……とは?」
「ハグやキスは勿論のこと、それ以上……あなた、随分とウブそうな子ね。 面白いわ」
かあっと顔が真っ赤になる私を、サングラスをクイッとずらしてまじまじと見つめてくる。
一体なんなの! この人は――!!
「し、失礼ですが! どちら様で!?」
社長の知り合い…なんだと思うけど、私はさっぱり分からない。
女性と社長の関係とか、この人の背格好からしてただ者ではないのが窺えるけど……。
「あら、ご存知なくて? わたくし、春希の母です。 よろしくね」
お……お、お母様!?
突然の予想外すぎる人物の登場に、私はボーゼンとして立っているのが精いっぱいだった。
もうちょっと下に進みたかったけど、仕方ない……。
切り替えて降りようとすると、乗ってきた人にぐっと腕を掴まれた。
えっ!? えっ、ちょ、何事!
明らかに意図的にエレベーターに逆戻りさせられ、ひやひやしながら腕を掴んで離してくれないその人を見やる。
「あの……?」
ああ、早くしないと社長が行っちゃう!
益々焦れてくる私にお構いなく、無反応の女性をじっと見据える。
真っ白のレディーススーツに真っ赤なジャケットを羽織った、とにかく気品のある大人な女性だ。 サングラスをかけていてよくお顔は見えないが、多分とっても綺麗な方。
「秋月陽葵さんでいらっしゃる?」
「えっ? は、はい。 そうですが……」
突然、上品な口調で言われて素っ頓狂な声が出てしまった。
「わたくし、真柴樹姫(ましば いつき)と申しますの」
「あ、はあ……真柴…さん? 私に何か御用でしょうか」
「春希とは、どこまでいっているのかしら?」
春希……その名前が出てきて呆然とする。
「ど、ど、どどこまで……とは?」
「ハグやキスは勿論のこと、それ以上……あなた、随分とウブそうな子ね。 面白いわ」
かあっと顔が真っ赤になる私を、サングラスをクイッとずらしてまじまじと見つめてくる。
一体なんなの! この人は――!!
「し、失礼ですが! どちら様で!?」
社長の知り合い…なんだと思うけど、私はさっぱり分からない。
女性と社長の関係とか、この人の背格好からしてただ者ではないのが窺えるけど……。
「あら、ご存知なくて? わたくし、春希の母です。 よろしくね」
お……お、お母様!?
突然の予想外すぎる人物の登場に、私はボーゼンとして立っているのが精いっぱいだった。