エリートな彼の好きな女 ~ウブな秘書は恋愛をしたくないのです~
「夏穂(かほ)ー、太陽(たいよう)ー! おやつ美味しい?」
「んまーよ!」
もうすぐ二歳の甥っ子と姪っ子だ。
今日は二人も、とびっきり可愛いお洋服で遠くからやってきてくれた。
ご機嫌取りのために与えられた赤ちゃん用のおせんべいを口いっぱいに頬張る姿は、もう天使! ふくふくのほっぺ、くりくりの瞳、ピンク色のぷっくり唇。 食べちゃいたい!
双子のふたり、男の子の太陽はママのちさとちゃん似で、女の子の夏穂はパパ、私の兄さん似だ。
我が親族ながら二人とも美形なので、きっと将来はイケメンアンド美人になるに違いない!
なんて考えていると、兄さんたちが戻ってきた。
「今、そこで向こうのご両親に会ったよ」
「ほんと? 良かった、間に合ったんだ」
海外に住んでいるお母様が乗った飛行機が遅延して、一緒に来る予定のお父様も遅れるかも、と連絡があったのはつい数時間前のこと。
おふたりとも間に合われたみたいでホッと一安心。
「そろそろ私たちも行きましょう。 旦那様のご準備も整ったみたいだし。 二人にしてあげなきゃね」
「えー。 陽葵を男とふたりっきりにさせるなんて……」
「バカ言わないの! ふたりは夫婦になるんだから、問題ないでしょ!」
ちさとちゃんが兄を小突き、夏穂と太陽を抱き上げる。
彼女、華奢で小柄なのに、結構逞しい。
両手に抱えた双子のうち一人を、兄がさっと受け取る。
うん、うん。 こうして見ると、やっぱり良い家族。
ちさとちゃんと兄さんの身長差とか、超いい感じだもん。
こんなこと言ったら、二人して照れて怒るから、言わないけど。
「じゃ、陽葵ちゃん、また後でね」
「うん。 二人ともありがとう」
今度は良きパパの背中を見送った。
私たちも、あんな夫婦になれるかな。