エリートな彼の好きな女 ~ウブな秘書は恋愛をしたくないのです~
その日、人生一大ともいえるイベントは、恙無く美しく終わった。
私たちは宿泊予定のホテルへと向かう。
式場の近くのホテルはコウノカンパニーが手がけたホテルだ。
社長の名を使ってそれなりの部屋を用意していると言ってはいたけれど……そのあまりにも豪華で贅沢すぎる部屋に驚愕する。
「春希さん! これって他の部屋もですか?」
ホテルに宿泊するのは私たちだけじゃない。
私や彼のご家族もだ。
鴻上家のほうはいいとして、うちの家族にこれって!
「そうだよ。 このホテルのスイートは今日、俺たち一族でいっぱいだ」
「ま、マジですか……」
やっぱ、この人社長なのよね!
こんなこと出来ちゃうくらいの権力持ってる人なんだわ!
改めてそう感じていると、春希さんが私の背後に近づくのが分かる。
「今夜は甘い夜にしような」
耳元で囁かれた意地悪な一言。
春希さんのせいで耳から全身真っ赤に染まる私を面白がっているのだ。
「ま、ずは…シャワーを……今日一日結構大変だったし、ね!」
「それって、一緒に?」
「ち、違う! それはちょっと、恥ずかしすぎる…!」
「まだ駄目なのか。 今更だと思うんだけどなー」
今更……ってのは否定できないのですが!
裸を見られるのが初めてなわけじゃない。
私の初めてはもう既に彼に奪われているのだから。
だけど、だけど!
お風呂っていうのは、ちょっとハードル高いのですよ! なんとなく……。