秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
西園寺先生は晴馬の胸と背中に聴診器を当てる。聴診器を外し首にかけると、待機していた看護師に指示を出した。

「β2刺激剤の吸入を。それで一旦様子を見ましょうか。このレベルなら収まるでしょう」

涼晴も同じ意見だったのか「そうだな」と言って頷く。

「茜音、晴馬くんは、過去に同じような発作を起こしたことはある?」

「いいえ……」

「じゃあ、これまでアレルギーと言われたことは?」

「それも、ない……」

ぶんぶんと首を横に振る。喘息やアレルギーだなんて言われたのは今日が初めてだ。大変な病になってしまったような気がして、得体の知れない恐怖が押し寄せてくる。

看護師に案内され、別室にある吸入器の前に晴馬を抱いて座った。吸入器から伸びるマスクを晴馬の口と鼻を覆うようにして当てる。

吸入器がガタガタと振動し始め、やがて白いミスト状の薬液がマスクから噴き出してきた。手に当てると、ほんのちょっぴりひんやりとする。

晴馬は鼻や口にミストを当てられ、少し迷惑そうな顔をしたものの、暴れず我慢してくれた。
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