秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「とにかく、ハウスダストの出そうなものは減らして、こまめに掃除をするように」

「わかったわ……」

仕事と育児に忙殺されて、掃除なんて二の次だった。おざなりにしてきたツケが来てしまったのだろうか。

これからは忙しいだなんて言ってられない、徹底的に清潔にしなくては。

けれど兄は「注意するって言ってもなー」とため息を漏らした。

「限度があるよな。保育園に行ったら手の出しようがないし」

「あ……」

兄の言葉にハッとさせられて、私は顔を伏せる。

どんなに家の中を清潔に保っていても、外出先ではどうしようもない。

保育園の布団は、定期的に業者を呼んで乾燥機をかけているらしいけれど、掃除機まではかけないだろう。それに、布団の上でばさばさと飛び跳ねて遊ぶお友達がいたら、埃がたくさん舞い散って――。

不安にかられ、しゅんとしょげる私を見た涼晴が兄をたしなめる。

「斗碧。不安を煽ってどうする」

「あ、悪い……」

兄まで困った顔をしてしまい、三人の表情はどよーんと沈んだ。
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