秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「俺が茜音と晴馬を養う。そうすれば、君の負担は半分になるし、晴馬に父親もできる。斗碧にも迷惑をかけなくて済む」

「……今の話、聞いてなかったの?」

「本心じゃないから、聞く必要はない」

ぎょっとして涼晴を覗き込んだ。その目があまりに鋭くて、逆に押し負けて目を逸らす。

「私、涼晴のことはもう愛してないの。この二年で忘れちゃった」

せめて強がってみるけれど、涼晴はまるで動揺してくれない。

「だったら再会したとき、どうしてあの指輪をつけていた」

思わず左手の薬指を覆った。涼晴と二年ぶりの再会を果たしたとき、私はいつも通り、彼からプレゼントされたあの指輪をつけていた。

あれから彼に会うことを警戒して、つけるのをやめていたけれど、正直左手の薬指がスカスカして落ち着かない。

「俺のことを待っていてくれたんじゃないのか」

「……すごい思い上がり」

「愛されているって、疑ったことがない」

ぎょっとして顔をあげた。こんなひどいことを言っても、まだ彼は私のことを信じてくれるのだろうか。

まだ私のことを、愛してくれるの?

力を抜くと目から涙がこぼれ落ちてしまいそうだ。
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