秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「君が俺の子どもを大切に育ててくれていたことがなによりの証明だ。そろそろ俺を拒む理由を教えてほしい」

彼の追及に私は目を閉じた。ああ、すべて見透かされているんだ。

知り合ったときからそうだった。私の気持ちなんて、聞くまでもなく理解してくれていた。

私はこの二年で、ずいぶんと大人になった気がしていたけれど、やっぱり彼のほうが断然うわてだ。

「涼晴、教えて。私があなたの子どもを勝手に産んでいたと知って、どう思った? 気持ち悪いとか、怖いとか、思わなかった?」

普通だったら嫌だろう。知らない間に自分の子どもを産み育てていただなんて。

けれど彼は、嫌悪感など微塵も見せず、微笑んでみせた。

「うれしかったよ。堕ろさないでいてくれたことが。それから、感謝した。ここまで大切に育ててくれたことに」

じんと胸が熱くなって、許されたような気がした。これまでのつらかったことや悔しかったこと、悲しかったことが、すべて報われたような気がした。

放心する私を、涼晴がぎゅっと抱き留める。私を腕に包み込んで、掠れた声を絞り出した。
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