秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「涼晴との間にできた子なんじゃないのか?」

思い切ってそう尋ねてみると、茜音は完全に凍りついた。

そのリアクションで推測が正しかったのだと確証を得る。

どうしてもっと早く問いたださなかったのか。

ただ俺は、他人から追い詰められて白状するのではなく、茜音自身の口から真実を聞きたかった。

「俺が気づいてないとでも思ってたのかよ」

「そ……れは……」

「相手が涼晴であることに関して、怒ったりはしない。アイツは真面目なヤツだし、茜音を任せられると思ってる。だが、いつまでも涼晴本人に黙っているのはなぜだ! おかしいだろ!」

俺が珍しく真面目に説教していると、こんな時間にもかかわらずドアフォンが鳴った。マンション一階のエントランスに誰かが尋ねてきたようだ。

「涼晴か?」

俺はドアフォンのモニターを確認しに行く。しかし――。

「……誰だこれ?」

きっちりと髪を整えてスーツを着た、神経質そうな眼鏡の男がカメラの前で直立していた。

身なりだけ見ればきちっとしているが、もう夜の十時を過ぎている。こんな時間に尋ねてくるヤツが、まともな人物であるはずがない。

茜音がやってきて、俺の横からモニターを覗き込んだ。

「……この人……」
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