秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
初めて見る巨大な動物たちに大興奮した晴馬は、園内を一周する頃には疲れて眠ってしまった。バギーに乗ってすやすやと寝息を立てている。

夕方に近づくにつれ、人も少なくなってきた。園から駐車場まで続く緑豊かな道を、私たちはのんびりと歩く。

「茜音。今日一日、俺、パパらしくできてた?」

涼晴がそんなことを尋ねてくる。もしかしたら、初めての父親という大役に、人知れず緊張していたのかもしれない。

「うん。とってもパパらしかったよ」

「そうか。よかった」

涼晴はバギーを押しながらホッと息をつく。

「そういえば、晴馬を肩車しているときに写真を撮ったんだよ」

涼晴は案の定、ぎょっとした顔をする。

彼はなぜかとびきり写真写りが悪いのだ。

以前、病院のウェブサイトに上がっていた医師紹介の写真を見て、お腹を抱えて笑ってしまったくらいだ。普段はこんなに格好いいのに、二次元に納めようとするとどうしてこうなっちゃうのだろうと。

本人もそのことを気にしているようで、写真は進んで撮りたがらない。だからこそ隠し撮りしたのだ。

「……まぁ、晴馬の写真は必要だよな」

どうやら観念してくれたようで、沈痛な面持ちで頷いた。
< 189 / 205 >

この作品をシェア

pagetop