秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
のんびりと歩みを進めながら涼晴がおもむろに切り出した。

「茜音が許してくれるなら、俺は毎日こうしていたい」

きょとんと目を瞬かせて、涼晴を見上げる。穏やかな表情で道の先を見つめている彼だが、たまにこちらを覗き込んではニコリと笑う。

「これからは、もっとそばで支えたい。ちゃんと茜音の夫になって、晴馬のお父さんになりたいんだ。どうかな」

不意に涼晴が足を止め、ボトムのポケットからなにかを取り出した。

私の左手を持ち上げて、薬指にその小さななにか――プラチナのリングを滑らせる。

指には昔涼晴からもらったリングと、新しいリングのふたつが並んだ。新しいリングには、以前より大きなピンク色のダイヤが輝いている。

「これ……!」

初めてデートしたときに、セレクトショップで見かけたピンクダイヤのリングだ。

涼晴に勧められたけれど、あまりにお値段が高かったから、一度は断ったのだが――。

『そういうのは、結婚するときじゃない?』

――私がそう言ったことを覚えていてくれたのだろうか。

「……この指輪、あれから二年も経ったのに、まだ残っていたんだ。よかった……」
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