秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「もう、我慢しなくていいんだ。ひとりで頑張らなくていい。これからは俺を頼ってくれ」

背中に回った彼の手が、私を胸の中に引き寄せる。まるで泣いてもいいよと言われたみたいで、涙が堪え切れなくなり、とうとう嗚咽まで漏れてきた。

「……う……ひくっ……」

ずっと甘えたかったのに、甘えられる人がいなかった。

ボロボロと涙をこぼすと、涼晴はそれを拭うかのように涙の痕にキスをくれた。

大人なのに、お母さんなのに、みっともなく泣いてしまった。晴馬が眠っていてくれてよかった、こんな甘えん坊なママを見られなくて済んだから。

ねぇ、晴馬。私も晴馬みたいに、たまには誰かに甘えて泣いても許されるかな?

これからは胸を貸してくれる人がいる。涙を拭って、優しい口づけをくれる人がいる。

もうひとりで頑張らなくていいのだと思ったら、肩が軽くなった気がした。


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