秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
一瞬ギョッとした涼晴だったけれど「もしかして、気を遣ってくれているのかな」と悩ましげに首を捻った。

「あのね――」

兄から言われた言葉をおずおずと伝える。

「今日、涼晴を泊めてもいいって……」

涼晴は「やっぱり気を回したんだな」と恥ずかしそうにつぶやいて、顔の赤みを拭うように額を押さえた。

「茜音は? 俺に泊まっていってほしい?」

困ったように笑いながら、私の表情を覗き込んでくる。まるで許可を待っているみたいだ、私は小さく頷き彼の袖口をきゅっと掴む。

「……じゃあ、久しぶりに一緒に寝る?」

わざわざ言葉にして尋ねてくれるところが真面目な涼晴らしい。

でも、いつの間にか彼の眼差しは真剣で、もうイエス以外の答えを受けつけてはくれないと思う。

私が再び頷くと、彼はゆっくりと唇の距離を縮めていった。
< 195 / 205 >

この作品をシェア

pagetop