秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「まさか涼晴も、茜音に子どもができているとは思わなかっただろうな」

あっはっはと軽快に笑う兄。私のほうは全然笑えなくて、空笑いを浮かべながら夕食をリビングに運ぶ。

「……涼晴さんだって、もしかしたら結婚したかもしれないでしょう?」

「いや、それはないんじゃないのか? 結婚したらさすがに連絡をくれるだろう」

「……そうかな……」

もし涼晴が結婚していなかったとしたら? 縁談がなんらかの理由で、破談になったのだとしたら。

……いや、だからって今さらあなたの子どもを産みましただなんて打ち明けるわけにもいかない。

「そういえば今日はお兄ちゃんも帰りが早かったね」

「ああ、たまたまだ。今日は打ち合わせがひとつ飛んだから。明日からはまた遅くなると思う」

ローテーブルの上に食事を並べ終えた私は、晴馬を子ども用のチェアに座らせる。

その横に正座をしようと、膝をついたとき――。

「痛っ……!」

左足首に体重をかけた途端、予期せぬ痛みが走り、私は顔を歪めた。

なにかしら……?

驚いて靴下を脱いでみると、足首から指の付け根あたりまで、ぼったりと赤く腫れ上がっている。

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