秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
彼の顔が赤く染まる。私より五つも年上であるはずなのに、ポーカーフェイスが下手過ぎて笑ってしまった。

「やだなぁ、冗談ですよ。涼晴さんこそ、もうちょっと口説かれ慣れたほうがいいんじゃありませんか?」

本当は冗談なんかじゃないけれど、本音だと明かすわけにもいかず、一応ジョークという体にしておく。

「……まったく。大人をからかうもんじゃないよ」

涼晴さんはまるで照れ隠しでもするように、大きなご飯の塊を口の中に詰め込んだ。

涼晴さんこそ、私のこと、子どもだと思って気を抜きすぎ。

もっと女性として見てもらいたいのに、もちろんそんなことを言えるわけもなく、文句をご飯とともにごくんと飲み込んだ。



その日の夜。帰宅した兄に、今朝病院へ行ってきたことを報告した。検査の結果、骨に異常はなかったこと、そして痛み止めをもらってきたこと。

涼晴さんと一緒に夕食を食べたことは黙っておいた。

「ねぇ。涼晴さんって、彼女いないのかなぁ?」
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