秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
兄だって顔はそこそこだし、なによりこの若さで建築事務所の社長。キャーキャー言われることもあるんじゃないかと思うのだけれど……この鈍感さなら気づかないかもしれない。

けれど、兄はふっと考え込んで、該当する人物に思い当たったのか、遠くを見つめる。

「二十五歳なんて、まだまだ若くて、あんまり女性って感じはしないけれど……」

頬をぽりぽりとかきながら、まんざらではない顔をする。

「笑顔で『お弁当作ってきました♡』なんて言われると、ちょっとかわいいなぁとか思っちゃうよなぁ」

兄がわかりやすくデレデレした。これは絶対、体験談だ。しかも最近。

「お兄ちゃん、そんな相手いたんだ」

「え? あ、いや。たとえばの話だ。たとえばの」

兄は照れくさくなったのか、「あー水飲みてぇ」とわざとらしくキッチンに逃げていく。

絶対いるんだ、お弁当を作ってきてくれるかわいい女の子が。

……お弁当、ねぇ……。

結局男性にアピールするには、年齢関係なく料理が有効なのねと、ぼんやりと考えを巡らせた。


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