秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
「お弁当作ってきました♡」

一週間後。兄の帰宅が遅い日を見計らって、私は夕食持参で涼晴さんの部屋におしかけた。

普段は見られない部屋着姿の涼晴さんが玄関で出迎えてくれる。スタイルのいい彼は、どんなにラフな服装でも格好よく決まっちゃうからズルい。

「『買ってきました』じゃなくて、『作ってきました』?」

お弁当と水筒の入ったバッグをしげしげと眺めながら、彼は目を丸くする。

「はい。たまには自炊しようと思って。一緒に食べてもらえますか?」

強引に玄関に上がり込むと、涼晴さんは「だから男の家でふたりきりはダメだって!」と慌てて主張した。

「兄には黙っておくので、大丈夫です」

「いや、それ、もっとダメだろ」

力づくで止められなかったので、イヤよイヤよもOKのうちと捉えることにする。

ずかずかと家の中に入り込むと、彼はもはや叱る気も失せたのか、頭を抱えて「もういいよ」とつぶやいた。

< 43 / 205 >

この作品をシェア

pagetop