秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
涼晴さんは私の腕の中からあっさりバッグを奪い取る。恥ずかしくなって顔を押さえる私を無視して、バッグの中身を取り出した。

お弁当にはチキンと野菜のソテーが入っていて、ご飯は香りづけにターメリックを入れた。水筒にはトマトと玉子のスープ。

「おいしそう」

びっくりするほどうれしそうな涼晴さんの声が聞こえてきて、指の隙間からちらりと彼を覗き見る。

「一緒に食べようか。俺の作ったハンバーグも味見してくれるとうれしいな」

満面の笑みが目に飛び込んできたので、観念して顔を隠す手をどけた。

「涼晴さんのハンバーグ、私のよりずっとおいしそう……」

「そうかな? 俺は茜音ちゃんの作ってきてくれたお弁当のほうが楽しみだけど」

おそろしいほど爽やかな笑顔だ。これが素だというなら罪すぎる。

でも本当に喜んでくれたというのがわかったから、私の鬱々とした気分も少しは晴れた。

食卓にふたりの手料理が並ぶ。私のお弁当、そして涼晴さんのハンバーグとサラダを、各々の大皿に取り分ける。

すごく豪華なワンプレートディナーができあがった。

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