秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
ポケットから取り出したのは携帯端末だ。メッセージアプリをタップしてID画面を開き私に見せる。

「……ID、交換してもいいんですか?」

「お兄さんには内緒だよ? 嫉妬されちゃうから」

しーっと人差し指を立て、悪戯っぽく微笑む。

いつもの爽やかなものとは違う、ちょっぴり悪めいた笑みにドキリとさせられた。

「茜音ちゃんの作るお弁当、また食べたいからね」

甘えるように上目遣いされ、なんて悪い人なのだろうと恐ろしくなる。

そんな顔をされて落ちない女性はいないし、これを無自覚でやってしまうなんて罪深いにも程がある。

「また、作ってきますね」

なんとかひと言絞り出したものの、私の胸は期待に激しく高鳴って、息ができなくなりそうだった。



それからというもの、ひとりぼっちの夜は彼にメッセージを打つようになった。

仕事で断られることも多かったけれど、時間のあるときは私の食事に付き合ってくれた。

お弁当を買ってきたり、私が料理を持っていったり、たまに涼晴さんが作ってくれたり、豪華なデリバリーを頼むこともあって。

彼の家で過ごす時間が積み重なり、気がつけばお互いの存在が大きくなっていた。

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