秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
他愛ないお喋りをしながら過ごす彼とのひとときが好きだ。そして……ドキドキする。

気がつけばこんな関係が半年以上も続いていて、私と涼晴さんの距離感も少しずつ変わっていった。

涼晴さんにとって私は『友人の妹』。

でも、ふたりきりのときに兄の話題を出すことが少なくなり、『年下の女の子』に変化していくのを感じた。

私を一個人として扱ってくれるようになったのは大進歩だ。できれば『女の子』から『女性』に格上げしてもらいたいところだけれど。

私たちの関係を劇的に変えるような出来事が起きてくれないかと奇跡を待つ日々。

そんな頃だった。食事を終えたあと、ふたり並んでソファに座っていると、おもむろに涼晴さんが切り出した。

「茜音ちゃん。このこと、相変わらずお兄さんには黙っているの」

低いトーンで切り出され、なんだかいつもと違うなと直感した。真面目な話がしたいのかもしれない。

「そうですよ」

短く頷いてカフェラテをひと口こくんと飲み込む。

今日のデザートは私の好きな苺タルト。私のためにわざわざ用意してくれたのだとわかる。

私という存在が、彼の中で大きくなっていることを実感する。

< 48 / 205 >

この作品をシェア

pagetop