秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
観念して尋ねると、彼は体を丸め、伏せったまま悲痛な声を絞り出した。

「……その質問は、ずるいよ」

ズキンと胸が痛くなる。彼は顔を下に向けたままで、なにを考えているのかよくわからない。

けれど、いつも優しくて穏やかな涼晴さんにこんなことを言わせてしまうなんて、とにかく私は悪いことをしてしまったのだと感じた。

「迷惑だったらちゃんと言ってくださいね。私、はっきり言われるまで、きっと付きまとってしまいますから」

ふたりの時間をしあわせだと感じていたのは、私だけだったのだろうか。

涼晴さんは、楽しいだなんて思ってなかった? 友達の妹のワガママに付き合ってあげてるだけだったの?

だとしたら……すごく悲しい。

じんわりと目に涙が浮かび上がってきて、でもこぼれてしまわないように、ぐっと息を止めてかみ殺す。

涼晴さんが、ゆっくりと顔を上げた。とても困っているような、情けない顔で私を覗き込む。

「君にとって、俺って、どんな存在?」

ごくんと大きく空気を呑み込む。なんて答えるのが正解なのか、全然わからない。

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