偽りの夫婦
そして陽愛のショップのイベント日。

「陽愛~!旦那はぁ?」
「あ、忙しいから今日のこと知らないの。ごめんね…」
「え~。
あり得ないんだけど…!?」
「……ちょっと、寧々!やめなよ!」
「美緒、アンタだって会いたくないの?陽愛の旦那」
「は?だからって、忙しい人なんだから無理でしょ?」
あからさまな寧々と、嫌悪感丸出しの美緒。
「二人ともやめて!」
必死に止める、陽愛。
三人はいつもそうなのだ。

「陽愛もはっきり言いなよ!」
「うん…」
「…ったく、臆病なんだから…」
「ごめんね…」
「でも、紫龍さんを誘わない方がよかったよね!」
「え?」
「だって、絶対寧々に狙われるよ!紫龍さん。
まぁ、紫龍さんが相手にしないだろうけど」
「でも…寧々、綺麗だからな……」
「いや、心配しなくても、陽愛の方が何倍も綺麗よ!自信持ちな!!」

そして、ショップの営業開店時間。
今日は開店5周年のイベントで、色んな種類のハッピーバッグが発売される。
まぁ福袋みたいな物だ。
陽愛達が、厳選したコーディネート一式をショップ限定バッグにつめて、安く売り出すのだ。
しかもカップルで来店すると、ポイント二倍とうたっている。
その為開店早々、多くのカップルでいっぱいだ。

「やっぱ、福袋みたいにしてよかったね!」
美緒が嬉しそうに、耳打ちする。
「そうね!!」
陽愛も嬉しそうだ。

「陽愛」
「え━━━?
嘘…紫龍…?どうして?」
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