偽りの夫婦
シャワーを浴び、ダイニングに戻る。
テーブルに置いていたバックの中から、スマホを取り出した。

【お仕事お疲れ様。
今起きて、シャワーを浴びたよ。
手紙、読んだよ。ほんとにごめんなさい。もう隠し事しないから。
私も大好きだよ。
陽愛】
と紫龍にメールを送り、ソファーに座る。
そして、美緒に電話をかけた。

「あ、美緒?」
『陽愛?大丈夫なの?急に体調崩したって』
あ、そうゆうことになってるんだ。
と陽愛は思う。
「うん。だいぶ落ち着いたよ。ごめんね、急に……」
『あれから紫龍さんが店長をかに訪ねて来て、なんか話してたみたいだけど、寧々辞めるらしいよ!』
「え?それって紫龍が何か……」
『いや、本人から急に申し出があったって!』
「そう…なんだ…」

『それよりも、明日いつもの四人でお疲れ様の食事会しよってなったんだけど、陽愛も来れない?』
「行きたいな。でも一度、紫龍に聞かないと……」
『だよね?じゃあまた、連絡ちょうだい』
「うん、わかった!」
そこで通話を切った。
ちょうど、紫龍から返信が入っていた。

【約束ね!
もう破ったりしないでね。俺はいつでも監禁する準備はできてるよ。
今日は夕食前には帰れそうだから、もう少し待っててね。
紫龍】
時計を見ると、もう16時を過ぎていた。
もう少しで帰ってくるなぁとボーッと考えていた陽愛は、そのまま眠ってしまっていた。

そしてもうすぐ18時を回る頃、
「ただいま」
紫龍が帰ってきた。
「おかえりなさいませ、旦那様」
「陽愛は?」
「ソファーで眠ってます。ご友人に電話されてその後そのまま………」
「そう…かなり無理させたもんな。
で?友人って誰?」
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