内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 大雅の机のそばに立ち、うつむいてなにかをしていたその人物は、突然ドアが開いたことに驚いて振り返った。
 奈々美だった。
「なにをしてる!」
 大雅は鋭く問い詰めながら、大股に彼女に歩み寄る。
 奈々美は、蒼白になって視線を彷徨わせている。手に、大雅の携帯を持っていた。
 素早く奪い返し、画面を確認すると、"削除しますか?"の文字、"いいえ"を選び元の画面に戻すと、祐奈からのメッセージだった。
《どうしても会って話したいことがあります。今ならそちらに行ってもいいですか》
《返事を待てなくてごめんなさい。今からそちらへ向かいます。何時になってもいいので連絡を待っています》
 着信も何件かあった。
 祐奈が受付に来たというのは本当だったのだ。
 用件の内容はメッセージからは伺いしれない。だが普段は思慮深い彼女がこのような行動に出ること自体が、よほどのことがあったのだということを物語っている。
 いったい、なにがあったのだろう。
 大雅の胸は締め付けられた。
 今すぐにでも探しに行かなくはと思う。
 だがその前に……。
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