内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 大雅は目の前の奈々美を睨む。
 この女をなんとかしなくては。
 大雅は机に手をついて、怒りを抑えることもなく、彼女に問いかけた。
「ここでなにをしている? 祐奈になにをした⁉︎」
「わ、私は、なにも……」
 奈々美が震える唇で答える。目に涙を浮かべている。
 それでも大雅は容赦しなかった。
「祐奈と会ったんだろう! 彼女になにをした! なにを言った!」
 はらわたが煮え繰り返っている。怒りで自分自身を制御できなくなりそうだった。
 これ以上祐奈を傷つけるのは誰であろうと許さない!
 だがその大雅の剣幕に、奈々美は圧倒されたように目を見開いて震えるだけだ。
 大雅は舌打ちをする。
 怒りに任せて、この女を問い詰めてもどうせ本当のことは言わないだろう。
 ならばもう二度と自分たちに近づかないようにするだけだ。
 大雅は奈々美を睨みつけ、最後通告をする。
「君はクビだ」
「そんな……! 大雅さん!」
 奈々美が悲痛な声をあげる。
 それを無視して、大雅は息を切らして遅れて入室してきた山城に向かって、言い放った。
「山城、彼女はクビだ。今日限りで天沢ホテル(うち)を辞めてもらう。すぐに手続きをしてくれ」
「大雅さん! 嘘でしょう!」
 奈々美はもはや泣きださんばかりだ。
 それでも彼女に対して同情的な気持ちは微塵も浮かばなかった。
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