内緒の赤ちゃんごとエリート御曹司に最愛を刻まれました~極上シークレットベビー~
 母には、宇月を出る前にあらかじめ"今夜は帰れないかもしれない"と伝えてあった。
 東京へ来たからといって、多忙を極める大雅にその日中に会えるとは限らない。もし会えなかったから、どこかへ泊まることも想定されたからだ。
 そして大雅のマンションへやってくる前に、祐奈は再度母にメッセージを入れた。
 大雅と和解したこと。
 帰りは明日になること。
 そのメッセージへの返事が返ってきているかと思ったのである。
 メッセージアプリの母の画面を開くと、予想通り返信があった。
《了解です。大和はもう寝ました。ずっと機嫌よくしてたよ》
 そこに添えられていた写真に、祐奈は思わず笑みを浮かべる。
 ご飯を食べる大和、子ども番組を観る大和、そして気持ちよさそうに眠る大和だった。
 考えてみれば、生まれてから、夜を別々に過ごすのははじめてのことだ。
 同居している祖母と一緒だからといっても不安になっても不思議ではない。でも写真を見る限りは、案外大丈夫そうだった。
「今夜は俺が、祐奈を独り占めだって言ったのに」
 大雅が、祐奈を後ろから抱えるように抱きしめて、そんなことを耳に囁く。でもその目は優しげに画面の大和を見つめていた。
「ふふふ、私がいなくても案外平気だったみたい。ちょっと寂しいような気もするな」
「やるじゃないか、さすがは俺の子だ。……明日会えるのが楽しみだな」
 そう言って、大雅は祐奈のこめかみにキスを落とす。
 祐奈は明日、大雅の車で宇月に帰ることになっていた。
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