身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
書店だけでなくネットでも完売し、重版分もすでに予約終了している写真集だ。

予約しそびれた凛音は当然ながら手に入れられず、その悔しい思いをつい柊吾に吐き出してしまった。

柊吾はそれを覚えていたのだろう。

けれどそんな貴重な写真集を、柊吾はどうやって手に入れたのだろう。

予約も不可で出版社にもストックがないと聞いている。

なにか強力なコネクションでも持っているのだろうか。

それともネットオークションかなにかで手に入れたのだろうか。

凛音はしばらく考えた後再び「まあ、いいか」と頭を切り替えた。

柊吾に関しては今も知らないことが多すぎて、写真集の入手方法など些細な話なのだ。

生まれや家族関係、生い立ちを聞いたこともなければどういう経緯でハギモリビールに入社したのかも凛音は今も知らないままだ。

以前話の流れで両親が離婚していると凛音が口にしたとき、柊吾は「俺も似たようなものだ」とふと漏らしたが、その瞬間ハッと顔を歪め、すぐに話題を変えてしまった。

拒絶するように背を向けられ、これ以上なにも聞かれたくないというメッセージがひしひしと伝わってきた。


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