身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
学生時代から何度も訪ねた思い入れのある場所だ。

凛音は写真をうっとりと見つめ、追い立てられるように話し続ける。

柊吾に伝えたいことならまだまだあるのだ。

「ここに住みたいって?」

それまで静かに写真を見ていた柊吾の口から小さな声が漏れた。

凛音は我に返る。

「あ、ごめんなさい。ペラペラと話しすぎました。えっと……一番気になるのはこの作品ですけど、他にもあって……」

凛音はあたふたとしながら次のページをめくろうとしたが、その手に柊吾の手が重なり、それを止めた。

「そんなにこの写真が気に入ってるのか? それに、住んでみたいって本当か?」

いきなり詰め寄る柊吾に凛音は目を丸くする。

今の自分の発言のどこに柊吾が反応したのかよくわからない。

「はい。写真も好きですけど現物も大好きです。それに美術館の上階に住めるなんて考えるだけでワクワクします。だけどかなり高価なマンションだし、すでに完売していて滅多に売りに出ないので諦めてます。えっと……あの、もしかしたら柊吾さんもこの写真を気に入った……とか」

「ん……。いや、そうじゃなくて……」


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