身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
柊吾はなにかを言いかけたがふと口を閉じ再び写真に視線を落とした。

「この美術館、上階のマンションの内装デザインも彼が担当したおかげで評判は上々だな」

「え……どうして柊吾さんがそれを……?」

凛音は目を見開き動きを止める。

その事実を知っているのは一定の関係者のみだ。

本条遙人自身が内装デザインを手がけたとなると反響も大きく売り出し即完売となるのは目に見えていた。

マンション自身の価値も高騰し、転売目的で購入を企む面倒な集団に狙われる可能性も高い。

それを懸念した本条遙人と不動産会社の考えが一致し、マンションの販売資料には本条遙人の名前は記載されず、今もその事実は一定の関係者にしか知らされていない。

凛音はオープン直後の美術館に父である本条遙人と、設計チームの一員だった瑠依に案内され、そのときにこっそり教えてもらっている。

写真でしかマンションの内装を確認したことはないが大きなガラス窓がとられ、空が近くに見える素敵な部屋だった。

「柊吾さん?」

「ああ……たまたまこの美術館とマンション建設に携わった関係者と知り合いで、偶然知ったんだ」




< 123 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop