身ごもりましたが、結婚できません~御曹司との甘すぎる懐妊事情~
今も凛音を見つめながらシャワーで濡れた髪を無造作にかきあげる姿はファッション雑誌の巻頭を飾るモデルのようで目が離せない。

「仕事は終わってる。それよりも夏に発売したビールのヒット記念イベントが決まって開発側も強制参加だ。ただでさえ忙しいのに面倒だよな。イベントならCMやってるアイドルグループに任せればいいんだ」

「そのイベントなら私も社長から聞いています」
 
面倒くさそうに答える柊吾とは逆に、凛音は目を輝かせ身を乗り出した。

「歴代商品の発売一ヶ月の売り上げ記録を塗り替えて、工場はフル稼働です。社長も大喜びで、開発チームを率いていた柊吾さんをべた褒めです」

「瑞生……いや、社長が? 俺にはダメ出しばかりだけどな」
 
柊吾は大げさに顔をしかめた。

「社長は柊吾さんには素直じゃないですから。でも、これは柊吾さんが開発全般の指揮を執った結果だって役員の方たちにまるで自分の手柄のように話されてます。よっぽど柊吾さんが誇らしいんですよ。大学時代からの付き合いだから当然ですね」

「へえ。結婚してからは奥さんのことをのろけてばかりだったのに、ようやく社長としての自覚が芽生えたんだな」
 


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